ぬか漬けのはじまりは江戸時代初期と言われています。
さらにさかのぼれば奈良時代にその原型があったという説もあるほど、
日本伝統の食品として古くから馴染みがある製法がぬか漬けです。
素材の食感や味わいはもちろん、保存が利くことや、
お手軽な一品として活躍することでも重宝されています。
ぬか漬けは『ぬか床』と呼ばれる米糠(こめぬか)を元に作ったものに、野菜などを漬け込んで作ります。シンプルなものなので、ぬか床が味を決めるといっても過言ではありません。糠と水、そして塩が必ず入り、たいていは昆布や唐辛子も使われています。
とり山本店では契約農家から届いた安心・安全な米糠を使用し、
創業以来、つぎ足しによる秘伝のぬか床を大切に使うことで、他のお店では味わえない風味と深い味わいを守り続けています。
- ぬか漬けが健康によいという話はよく耳にすると思いますが、これはぬか漬けが発酵食品で、発酵の際に生成される酵素の効果を示すのが一般的です。酵素はぬか漬けに限らず、味噌やしょうゆ、納豆などにも多く含まれているため、日本の長寿を支える立役者であるという見方もされています。酵素は加齢によって減少するもので、ぬか漬けに限らず、気をつけて自発的に摂取しておきたいものですね。
- ぬか漬けの美容効果についても情報が多くあります。
これはぬか漬けの漬物に植物性乳酸菌が含まれることについて触れたもので、正確には植物性乳酸菌の効用について語られているものです。
一般的に植物性乳酸菌はヨーグルトなどの動物性乳酸菌に比べて腸内に届きやすいといわれ、腸内環境を整えることが美容と健康によいとされているのはご存知のとおりです。
- ぬか漬けが万能な栄養食品ということはありません。ただし野菜が本来持ち合わせるビタミン群を損なうことなく摂取できるとされ、特にビタミンB1の含有量が大きく増加するという説もあります。
ビタミンB1は疲労回復や神経機能を整えるなど、人体に幅広い効用をもたらすと言われています。これらについては信頼のおける専門書や専門家発信の情報でご確認ください。
漬物屋に嫁ぎ女将さんとして半世紀。
「茄子は人を選ぶ」と言われるように、他の野菜と異なり、茄子の糠漬けは難易度が高く、特に糠の状態には神経を尖らせて常に気を配らねばならないそうです。
そんな茄子の糠漬けを、お母さんは「(漬けて)4日目くらいが一番好きで、茄子と相性のよい
土しょうがを乗せ、お醤油を少し垂らして」食べるのが大好きとのこと。
もちろんこの道一筋の熟練した職人さんが手掛ける糠床、漬け込みがあってのもの。この高い完成度の最後の仕上げは、お客様がお好みのタイミングで袋を開けていただくことです。